管理栄養士の菊池真由子です。
まず、結論から言うと【花粉症にコーヒーはダメ】です。
花粉症患者にとって、コーヒーがダメな理由は2つあります。
1つ目は、コーヒーが刺激物だからです。
花粉症の症状を悪化させる要因として「刺激物」があります。
代表的な例は、唐辛子の多いキムチ、スパイスが多く使われるタイ料理などのエスニック料理、辛すぎるカレー、そしてコーヒーなのです。
コーヒーが刺激物にあたるのは、含まれるカフェインが原因です。
カフェインはコーヒーだけに含まれるのではなく、緑茶や紅茶、ウーロン茶、コーラや栄養ドリンク類にも含まれています。
それでは、代表的な飲みものに含まれるカフェインの量をみていきましょう。
<カフェイン含有量(mg)>(100ml当り)
レギュラーコーヒー 約 60mg
インスタントコーヒー 約 60mg
煎茶 約 20mg
紅茶 約 30mg
ウーロン茶 約 20mg
(全日本コーヒー協会調べ)
【そのほかの飲料】
栄養ドリンク 1本 約50mg
コーラ(ペットボトル1本)約50mg
ココア カップ1杯 10~20mg
ハーブティー・甜(てん)茶 0mg
麦茶・昆布茶 0mg
(菊池真由子調べ)
*カフェインは測定する状態やタイミングによって変動が大きいため、文献、資料によって数値が異なります。
ここの表記しあるものは目安量です。
この結果から カフェインが多いのは
コーヒー>紅茶>烏龍茶・緑茶
(注:玉露だけはコーヒー以上の極端な量のカフェインが含まれています。通常飲用が少ない種類であるために、今回の検討からは外しています。番茶やほうじ茶などについては信頼できるデータがありませんでしたので代表として緑茶を用いています。)
ということが解ります。
さて、コーヒーをつかったカフェオレはどうでしょうか?
コーヒーを使用しているのでもちろん含まれています。
ただし、牛乳を追加しているので、使用しているコーヒー量によってカフェイン量が変わってきます。
市販のカップドリンクなら、ドリップコーヒーの半分程度です。
コーヒーゼリーも原材料になるコーヒーの分量によってカフェイン量が変わってしまう、と考えるが妥当でしょう。
このほか、ティラミスもコーヒーを使用しています。層になった焦げ茶色の部分にコーヒーシロップが使用されているのです。
コーヒーシロップにつかうコーヒーはエスプレッソもしくは2倍濃度のインスタントコーヒーです。
しかし、食べる量が少ないので、含まれるカフェイン量は少なめと考えて良いですね。
日常に摂取するカフェイン量に関して、下限や上限量は決まっていません。
花粉症に影響する量も特定されていません。
ですが、花粉症の症状対して悪影響を及ぼすことだけはハッキリしています。
カフェインの作用には、覚醒作用・中枢神経(脳とせきずい)興奮作用が挙げられます。
この2つの効果があるために、カフェインは2004年までドーピング対象の成分となっていました。それほどカラダに対する作用が強いという表れですね。
2004年以降は禁止リストからはずれ、監視プログラムに移行しています。
しかし、カフェインはいつドーピング対象物質に戻るかもしれないと考えられています。
このため、トップアスリートはカフェインをとらないようにしている人が少なくありません。
このほか胃酸分泌亢進作用があり、胃炎や胃が弱い人にとっては、胃を刺激して調子を悪くしてしまいます。
さて、カフェインが花粉症にダメな理由のもう1つは、睡眠を邪魔するからです。
日中などに眠くなったときにコーヒー(カフェイン)を飲むと頭が冴えてきます。
これはカフェインが、脳を興奮させるからです。
眠気が覚めてシャキっとしますよね。
眠気が覚めてシャキっとするわけですが、これが眠気(入眠)や熟睡を邪魔してしまいます。
しかし、飲むタイミングを誤ると、夜寝る前に目が冴えてなかなか眠れなくなるのです。
カフェインの覚醒作用が眠気(入眠)や熟睡を邪魔するからです。
花粉症には睡眠不足が大敵です。
睡眠によってストレスや疲れが解消するためです。
疲労は自立神経を過敏にして、アレルギー反応を起こしやすくなります。
夜は眠りを邪魔するコーヒーよりも、カフェインを含んでいないハーブティーなどを選ぶと良いですね。
カフェインの効果の強さや長さは、個人差があります。
しかし、コーヒー好きな人であれば、1日1杯で済まない場合がほとんどです。
飲み慣れてくると1杯当たりのカフェインの効果が少なくとも、量が多くなることによって影響を受けてしまいます。
また、コーヒーは1日1杯であっても、コーラや栄養ドリンクを飲んでいるとカフェインの重ね摂りになります。
花粉症の症状がツライ時は、なるだけカフェインは取らないようにしたいですね。