私は質問力の本を何冊か、書いています。
なぜ、質問に力があるのでしょうか。
今回、そのことについて説明をしたいと思います。
私は質問が持つ力は大きく分けて4つあると分析しています。
以下に説明します。
例えば「あなたのご両親はどのような方ですか?」と質問したとします。
もし、あなたが仕事中で両親のことを考えていなかったとしても、また、この質問について今まで考えたことがなかったとしても、質問をされると、改めて親について考えることになります。
頭の中に今まで考えたことがない思考を発生させることができるのです。
「ご両親から、どのようなよい影響を受けましたか?」という質問をされたとします。
親からなにがしかの影響を受けていない人はいないでしょう。
その中には、良い影響もあれば、悪い影響もあるものと思われます。
しかし、上の質問をされると、親の「よい影響」はどこか、ということのみを考えます。
親から受けた悪い影響については、意識されることはありません。
このように、質問には相手の思考を方向付ける作用があります。
質問をされたら、誰しも、何かしら答えようとするものです。
何も答えないと、落ち着かず、気持ち悪くなります。
「その質問には答えられません」というのも、一つの答えです。
この、何かを言わせることができるというのは、極めて大きな力です。
そして、この力は、次の4つ目の効果でさらに高まります。
人は、自分が言ったことと矛盾をする言動をしにくいものです。
質問に対する答えは、その場で無理やり出したものであっても、人を縛ります。
上の両親についての質問でも、自分で答えた両親像に、その後の認識は拘束されます。
以後、両親が、自分の答えたように見えてしまうところがあります。
質問をすることにより、その答えに沿った認識や行動を促すことができるのです。
あなたの会社で、部下が誤ったメーリングリストに、メールを送付するミスをしました。
部下は、緊張しながら「すいません、不注意で…」と報告に来ました。
上司はどうすればよいでしょうか。
「何をやってるんだ」「たるんでるぞ、しっかりやれ」と叱責する方も多いかもしれませんが、これでは、再発が防止されるかどうか、わかりません。
この問題、「すいません、不注意で」ですましてよいとも思えません。
人は誰しも不注意になることがあり、そのたびに誤送信が起こっては大問題です。
部下には、再び失敗しないための行動を起こしてもらう必要があります。
そこで重要となるのが質問です。
まず、落ち着いて「何があったの?」と質問します。
「不注意で起こった」という部下の評価ではなく、知りたいのは事実。
メール送信までの過程で、どのような間違いがあったのか、客観的にみる思考を発生させる質問です。
次に「どの過程でミスが起きたの?」と質問します。
大規模な誤送信は、不注意などといったレベルのみで起こるものではありません。
ミスが、仕事のプロセス、仕組みによって起こったという方向に、思考を持っていきます。
部下にとって、自身のミスの責任問題は、ただただ苦痛で、早く逃れたいもの。
部下を責める場ではなく、真摯な原因究明のための場だとわかってもらうためにも重要です。
そして「では、どうすれば防げると思う?」と質問します。
部下はなんとか、少しでもミスが減る方法を考えるでしょう。
もちろん、よいアイデアだけではないでしょうが、こちらも質問を重ねながら、有効な方策を導き出します。
そして、自分で答えた改善策に、部下は拘束されます。
本当の意味で、ミスを減らす方向に行動してもらうことができるでしょう。
そして、最後は、行動にコミットします。
たとえば、部下が「●●という手順で行えば、ミスは起こらないと思います」と答えたとします。
そうしたら、「では、その手順で行うために、どういうマニュアルを作っておけばいいの?」と質問し、答えさせます。
そして、「そのマニュアルは、いつまでにできる?」「そのマニュアルを社内で徹底させるには、いつまでかかる?」と質問し、答えさせます。
最後は、「では、来週月曜日に、マニュアルを社内で徹底させたことについて報告をもらえる?」と質問し、「はい」と答えさせて、部下を縛ります。
これで、部下は行動せざるを得ません。
人を動かしたいのであれば、考えさせる、方向づける、答えさせる、縛るという4つの効果を念頭に、質問の仕方を考えてみてください。
若いころは無理が利きましたが、年をとってくると、仕事の質が体調にかなり影響を受けるようになってきました。
体調管理に気をつけているので、大抵は調子が良いのですが、たまに不調の時もあります。
常に絶好調で仕事に集中できるよう、さらに研究していきたいと思います。
(*・`д・)ガンバルッス!!
今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして、また次回もぜひ読んでください!
では、あなたに健康と幸せが訪れますように祈っています。