たとえば、こんなケースです。
今までは若干頼りないところがあった人が、平社員から課長になったことで、急に立派な言動をするように。
課長としての仕事を確実にこなすだけではなく、立ち居振る舞いまでが、チームリーダーにふさわしいものに変わり、自然に部下から頼られ、尊敬されるようになった。
こういった例は枚挙にいとまがありません。
「立場が人を作る」は、やはり真理だと思います。
その人自身が「出世したのだから、もっと頑張らなければ」と意識して努力したということも、もちろんあるでしょう。
しかしそれだけでは、「立場が人を作る」という言葉を説明したことにはなりません。
なぜその人が課長らしくなったのか?
それは「課長になったから」です。
なにやら詭弁のようですが、立場自体が、そのような力を持っているのです。
人は、様々な立場の、ロールモデルを常にイメージしています。
そして、実際にその立場になると、スイッチが入ったように、そのイメージに沿う言動をするようになります。
そのイメージに沿う言動をすると、どうなるか?
「そうなってしまう」ということですね。
気分が落ち込んでいる時に、「やったー!」と叫びながら、飛び跳ねてみると、どうなるか?
気分が楽しくなってきます。
外形的な言動に自分がついてくるのですね。
たとえば「私はブッダのような人格者だ」と思いこんでいる人は、普段からそのようにふるまい、ブッダほどではないにしろ、本当に人格者のようになります。
逆に「自分はアウトローだ」と思い込んでいる人は、やはり顔つきやしぐさから、それらしくなります。
これも単なるまねではなく「自分は〇〇である」という自覚により、そうなるのです。
これは、自分を変えたい、変わりたいと思っている人にとって、参考になることです。
出世のように、立場に実際になるのが最も有効でしょうが、実際の立場は変わらなくても、意識を変えるだけでかなりの効果があるのです。
私は、25歳で弁護士になり、すぐに相手方のベテランの弁護士と交渉しなければならないような場面に遭遇しました。
「手玉に取られるのではないか」など恐怖でいっぱいでした。
私は、自己暗示にかけました。
「私は、交渉の達人だ。交渉の達人なら、どんな態度をとるか?表情は?最初にどう切り出すか?」
自分が交渉の達人になりきって、交渉に臨みました。
そうすると、自分が変わってきたのです。
この方法は、実は企業の研修でも利用されます。
研修では新入社員に「自分が社長だったらどうするか」と考えさせると演習が行われています。
この研修の目的は、単に経営理論を学ばせるとか、組織の仕組みを学ぶというだけではないと思います。
ビジネスマンの必須スキルである「なる」能力を養うというところに本質があるのではないでしょうか。
なりたい自分になるための最も良い方法は、ほかでもなく、今、この瞬間に「なる」ことなのです。
若いころは、起床してから3時間くらい経過したころが最も頭が働いていました。
そこで、試験などを控えているときは、その3時間前に起床する習慣にしていました。
今は、起きてすぐが最も頭が働きます。
そこで、起きてすぐ仕事を始めます。
人それぞれ、そして、年齢それぞれで、自分のピークが違います。
本や常識、周囲の声などに惑わされず、自分で自分を感じることが大切ですね。
(*・`д・)ガンバルッス!!
今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして、また次回もぜひ読んでください!
では、あなたに健康と幸せが訪れますように祈っています。