「自分は交渉が苦手だ」と考えている人は、得意だと考えている人より多いのではないかと思いますが、その理由として「私は口下手だから…」というのをよく聞きます。
たしかに「交渉がうまい人」と聞くと、立て板に水のようにぺらぺら話し、相手を圧倒してしまう人というイメージがあります。
口下手な人は、セールスマンにマシンガントークで押し切られたり、交渉の席でほとんど何も話せず、相手の要求を飲んでしまった、などといった苦い思い出から、交渉が向いていないと自己認識している場合も多いでしょう。
私の周りの弁護士も、どちらかというと口下手でも、交渉でよい結果を残す方がたくさんいますし、私自身も、それほど自分が口がうまいと思ったことはありません。
口下手な人の多くは、交渉で相手ばかり話していると「押されている、負けている」と思い、慌ててしまいます。
そして、こちらも何か言わなければ、と不用意な発言をして、自分で納得しない合意をしてしまう場合が多いようです。
交渉において、このような「勝ち負け思考」は禁物です。
交渉は双方が納得できる形で合意するものであり、そこに勝ち負けはありません。
何らかの合意に達しなければ、いくらしゃべりまくっても意味はありません。
口下手な人は、押されているように感じられても、その状況に慌てることなく、自分が主張したいところで、すべき主張すればよいのです。
何を言ってよいかわからないのならば、無理に話さず、黙っていてもよいのです。
しゃべりまくっても自分の思う結果が得られない場合、今度は相手が慌ててきます。
だんだん話すこと、自分が切ることのできるカードがなくなってくるからです。
もし、機会があったら、交渉の時、できる限り沈黙し、かつ、相手の言葉に同意せず、首を縦に振らないようにしてみてください。
そして、相手の表情をよく観察してみてください。
不安の表情が出てくるはずです。
そうすると、少し落ち着くことができるでしょう。
必ずしも口べたが不利とは感じなくなると思います。
とはいえ、交渉の場で相手が話し続けているような状態で、冷静を保っているのは非常に難しいのも事実。
そういう意味で、口下手な人が、結果的に満足のいかない合意をしてしまうケースは多いのは確かです。
今回の交渉の勘所がどこにあるのか、相手の要望はどこにあるのか、そして自分がどこまでなら譲歩できるのか、どこは譲れないのか、整理して交渉の場に臨むことです。
事前のシミュレーションが十分であれば、交渉の場で相手にいろいろ言われても、重要なこととそうではないことの区別がつき、慌てにくくなります。
交渉がうまくいかないのは、口下手それ自体が原因ではありません。
現状を見失わず、平常心でいられれば、口下手なあなたのままで、交渉の達人になれるかもしれません。
「時をえた沈黙は英知であり、いかなる雄弁よりもまさる」
(プルタルコス)
また、質問も有効な武器です。
日常の難しい会話に立ち向かうための1冊。
「夢をかなえる質問」(PHP研究所)
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先日、事務所の弁護士で研修合宿をやりました。
今回のテーマは、「税法」。
最後に試験を行い、試験に合格しない限り、夕食を食べることができない、というものです。
そんな感じで勉強会をすると、皆真剣になります。
ただ単に学ぶ、というよりも真剣度が違います。
もし、あなたが何かを勉強しているなら、自分に試験を課し、試験に合格しない限り●●をしない、という条件設定をすると、より真剣味が増すと思います。
今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして、また次回もぜひ読んでください!
では、あなたに健康と幸せが訪れますように祈っています。