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危ないダイエットの見分け方

2018年08月19日

管理栄養士の菊池真由子です。

さて、今回のテーマは、永遠のキーワードであるダイエットです。

食事でダイエットをする方法はあちこちで紹介されていますが、速攻性があるわけではありません。

そして、体重90kgの人が5kg減量に成功するのと体重50kgの人が5kg減量に成功するのでは大きな違いがあります。

もちろん前者のほうが体重を落としやすいですね。

ダイエットを考える時は、マイナス*kgといった数値ではなく、自分の体重に対してのパーセントで考えるべきです。

何%が良いかはベースになる現在の体重によりますが基本的には5~10%の範囲で考えるのが妥当です。

自分で「体重が多めだな」という人は、第一段階として、5~10%の範囲を目標とし、その体重が維持できるようになると、次の第2段階としてもう一度5~10%の範囲で体重を階段状に落として行くようにしましょう。
(ただし、40kgを下回る体重は病的な「やせ」です。むやみに体重を落とすと病気を呼び込んでしまいます。)

しかも、ダイエットというのは「落とした体重を維持する」ことがゴールです。

基本的に「(食生活で)ダイエットの成果がでるのは「最短でも3ヶ月はかかる」ものです。

ダイエットを開始すると1~2週間で効果を実感したいものです。

しかし、ダイエットは気の長い行為なので、焦りは禁物です。

しかも、同時にあれこれと様々なダイエット方法を同時進行で行う人もいますが、これは効果がありません。

王道は、運動を併用することです。

体重に変化はなくとも、ウエストが細くなっているなどの変化が起きているので服のウエスト部分が楽に入るようになった、というような小さな変化を見逃さずにいると効果を実感しやすくなります。

注)ダイエットは本来は6ヶ月以上の余裕があったほうがおすすめです。
また、効果の表れ方には個人差があります。
  
ダイエットには様々な方法がありますね。

そこで今回は皆様が【健康被害】に遭わないように「危ないダイエット方法の見分け方」をご紹介します。

※食事に関係するダイエット方法についてのみ取り上げます。化粧品や器具等は除外です。
 
 
1)特定の食品に頼る、あるいは食べてはいけない食品がある(特定の食品を集中的に食べる方法も含む)

栄養のバランスが崩れて体調が悪くなります。

体力低下、情緒不安定、肌荒れ、貧血、便秘、爪割れ、抜け毛の原因にも。

美容面でのデメリットも大きい方法です。

人間には

「これさえ食べていれば大丈夫」

という食品はありません。

それぞれの食品には、様々な栄養成分が多かったり少なかったりします。

食品ごとに多い成分、少ない成分が異なるので、数多くの食品を食べることによって栄養の凸凹を補完しあうことが出来るのです。

言い換えると、特定の食品を集中的に食べたり、回避することは各食品に存在する「リスク」を他の食品を食べることで分散させることが出来にくくなるのです。

人生という物差しで見た場合、特定の食品を繰り返すのは健康維持の面で非常に不利です。
 
 
2)カラダが疲れる、つらい気持ちになる

ダイエットが原因で食生活などに乱れが生じた結果、気力が失せたり、イライラしやすくなることがあります。

下痢や便秘、吐き気、月経不順などのほか、無意味に眠気がする場合もあり、体調を崩してしまうダイエット方法もあるのです。

具体的にどのダイエット方法、というよりもどんな方法でも、

【体調を崩せば自分に合っていない】

といえます。
 
 
3)海外から輸入されたダイエット食品、あるいは薬

全てのものが危険かどうかは判断できません。

しかし、輸入されたダイエット食品(サプリメントや健康食品、お茶類など)で多くの健康被害や死亡例も報告されています。

現状では手をださないほうが良いです。

まずは疑ってかかりましょう。

珍しいお茶やドリンク類も避けたほうが無難。

4)ファスティング(断食)をする
※プチ断食として2泊3日で医師の管理下で行われている場合があります。十分な知識のある医師のもとで実施は除きます。

2日を越えて1日2回以上食事を抜くのは非常に危険です。

医師の管理下であっても、実施する際の健康状態に「痩せたい」という気持ちからウソを申告する人もいます。

きちんと開始前の健康状態を確認する医師のもとで実施してください。

ウソを申告し、そのまま実施すると緊急搬送をされるケースがあります。

特に糖尿病のある人は絶対にしてはなりません。

人間は食べなければ食べないほど痩せるわけではありません。

むしろ飢餓に対抗する力を発揮して体が省エネモードになり、少しの食事でしっかり吸収するように変化してしまいます。

1日3食はカラダのリズムを整えるのに理にかなった方法なので無茶をしないようにしましょう。
 
 
次は直接的に「危ない」と表現するよりは「健康を害する」とされる方法です。
 
 
5)リバウンドを繰りかえす、あるいは前提にしている

リバウンドとは、ダイエット前の体重に戻ってしまう、あるいはそれ以上になってしまうことをさします。

ダイエットの本来の目的は【痩せた体重を維持する】ことです。

リバウンドした体重はほぼ100%脂肪。

体重の乱高下は心身共に大きなストレスです。

一度トライして簡単なダイエット方法であってもその方法をやめた途端にリバウンドするのはカラダの脂肪を増やすだけ、老化を促進してしまいます。

年齢を重ねるとともに体重を減らすことは難しくなってきます。

特に40歳を越えるとカラダの自然な現象で、お腹周りに脂肪がつきはじめてきます。

リバウンドを繰り返すとますます痩せにくくなってしまい生活習慣病の原因になりがちです。

気になる方は拙著
40歳からの健康ダイエット
をご高覧下さい。
 
 
過去に「国立病院のダイエット」というものが流行しました。

概要は「ゆで卵とグレープフルーツを欠かさず食べる」というものでしたが、管理栄養士の立場からすると奇妙な方法でした。

当時私は国立循環器病センターというまさに「国立」の機関で勤務していたので関係者に質問してまわりました。

すると、一様に口にするのは「そんなダイエット方法は知らない」ということでした。

みなさん、多忙過ぎて世間の流行に疎くなってしまっているようでしたが、そろって「そんなダイエット方法は認められない」という結論でした。

どんなに評判の高いダイエット方法でも体調を崩せば「危ない」ダイエットになります。

例えば、調子良く痩せていても下痢を繰り返していれば、それは健康被害です。

試してみて不調を感じれば「折角痩せ始めたのに」と思っても、すぐにやめる冷静さと勇気が必要です。

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