これは、すでに投下してしまって回収不可能なコストのことです。
たとえば、あるコンサートに行こうと思って譲渡不可の1万円のチケットを買った場合を考えてみます。
それはすでに投下してしまって、売却することもできませんから、コンサートに行くか、あるいは行かないか、ということだけになり、すでに1万円は回収不可能です。
この1万円のコストを埋没コスト、といいます。
この埋没コストが相当な量になっていると、そのまま投資し続けるか、撤退するか、で決断できなくなることがあります。
たとえば、会社が新製品をつくるために、1億円のコストをかけて開発プロジェクトを進めているとします。
ところが、致命的な欠陥が見つかってしまい、実用化できるとしてもかなり先になってしまう、というような事態に陥ることがあります。
この状態で、プロジェクトを続けるのか、撤退するのか、迷います。
プロジェクトを続けていけば、いつか成功するかもしれません。
しかし、失敗した場合、損失をさらに拡大させることになります。
この時、撤退の決断を鈍らせるのは、これまでに投下した莫大なコストです。
「1億円もかけたのだ。撤退なんかできるはずがない!」こういう声は大きいでしょう。
これが決断をにぶらせる埋没コストの罠、というものです。
人間、どうしても元を取ろうとします。
損をするのは耐えられないのですね。
1万円を使えば、1万円以上のものを得なければ気が済まないのですね。
この心理のために、理性的に決断をすることが難しくなってしまいます。
2つのポイントがあります。
先ほどの商品開発の例で言えば、1億円は、すでに投下されて、かえっては来ない埋没コストなのだ、ということに気づくことです。
「ああ、もったいない」と思っているだけでなく、冷静に分析することが重要になってきます。
埋没コストというのは過去です。
これまでに投下した1億円と長い年月の投資は過去です。
もう帰ってきません。
大切なことは、今の資源を使って、会社が将来どれだけ利益を上げられるか、ということです。
そのためにこそ過去があります。
今現在の会社や市況の状況をみて、将来的に会社がもっとも利益を出すためには、「今、どういう選択をするのがベストか?」という将来に目を向ける、ということが大切になってきます。
そうやって、埋没コストから脱出しましょう。
相手にこれまでに投下したコストを意識させるように仕向けていくことになります。
たとえば、交渉でデッドロックに陥ってしまった時に、なんとか前向きに打開したいような時がありますね。
デッドロックに陥って、後ろ向きの意識になってしまっていて、交渉が決裂しそうな場面です。
そんな時は、これまでに投下したコスト、つまり、お金、時間、労力等を相手に意識させることになります。
たとえば、「これまで○ヶ月の間、かなりのお金と何十時間にも及ぶ時間と、私たちの多くの労力を費やして交渉してきました。ここで決裂してしまうと、そのお金と時間と労力が全て無駄だったということになってしまいます。せっかくここまで苦労したのですから、何とか合意したいものですね」というように使います。
自分が埋没コストの罠にはまった時は、さきほどの2つのプロセス、まず埋没コストの罠と気づいて、そして将来に目を向ける、ということで罠から抜け出すようにし、いざ、相手と交渉する時は、相手に埋没コストに目を向けさせる、ということで、うまく使い分けていただければと思います。
「覚えておく必要のない過去は、早く忘れる事だ」(ゴルゴ13)
先週は、テレビ出演が3本もありました。
2本はフリップ出演で、1本は、テレビ朝日「ワイドスクランブル」生出演です。
たいてい前日くらいに出演依頼があり、そこから電話やメールで内容を詰めていきますので、バタバタとします。
今回は1日3本だったので、それなりに大変でした。
私の場合は芸能人枠ではなく、文化人枠であり、専門家としてのコメントを求められるのは嬉しいですが、本業に影響が出ないように気をつけたいと思います。
あくまで一弁護士として、頑張りたいと思います。
(*・`д・)ガンバルッス!!
今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして、また次回もぜひ読んでください!
では、あなたに健康と幸せが訪れますように祈っています。