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日焼けで夏ばて?食事でケアしてみませんか?

2018年08月12日

管理栄養士の菊池真由子です。

夏は疲れやすい時期ですね。

暑さのために食欲不振になる、夜が寝苦しく睡眠不足になる、屋外とエアコンの効いた屋内の気温差で疲れると、様々な原因がありますが、そのなかに

【日焼けをして疲れる】

というのがあるのです。

日焼けは紫外線から皮膚を守るための防御反応です。

メラニンと呼ばれる黒い色素を作りだして紫外線に対して適応しようとします。

すると皮膚が黒くなり、日焼けがおこるのです。

近年は世界的な環境破壊問題の影響で日焼けの原因になる紫外線の量(強さ×時間)が増えてきました。

そのために、5月ごろから日焼けは起きているのですが、9月末ごろまで延々と続くのです。

さて、長時間日光にあたると、日焼けだけでなく「疲れ」を感じることはありませんか?

これまで、

「日焼けをするような長時間、体を動かしていたために疲労を感じている」

と考えていたのではないでしょうか。

ところが、

「日焼けそのものをすることで【疲労】する」

ということが解ってきました。

これは目からも紫外線が当たると全身の皮膚が黒くなることが動物実験で明らかになったのです。

それは次のような仕組みです。

まず、紫外線が目から入ってくると、目の表面に炎症が起き、それが脳に刺激を与えます。すると脳から紫外線の害から体を守るための物質である

「メラニン(皮膚を黒くする成分)を増やすホルモン」

を出すように指令を出します。

これが全身に行き渡るために、皮膚でメラニンが作られて皮膚が黒くなり、日焼けが起こるのです。

このため、「目からも日焼けが起こる」ということになり、目の紫外線カットが必要になってくるのです。

そこで紫外線に含まれる有害物質であるUVをカットする効果のあるサングラスが活躍するのです。

また、衣類や日焼け止めでガードする、日差しを直接見ないようにすることだけでも効果がありますね。

さらに、目が紫外線を受けた時の刺激によって体が疲労した時にできる疲労物質が増加していることが判明しました。

これも、ストレスを受けたときと同じ仕組みであることがわかったのです。

つまり日焼けをすると、心身の疲労と同じ反応が体内で起きているのです。

屋外でプレーをするスポーツ選手などで真夏でもハイネックを着ている人がいますよね。

これは、日焼けからの疲労を知っていて、首(特に背面)の日焼けを防いで発汗をしても紫外線から体をガードしているのです。

では、紫外線のストレスから食事で体を守るにはどうすれば良いのでしょう?

日焼けによるストレスに対抗するために、体はステロイドホルモンのなどの合成とともにエネルギー代謝を活発にしていきます。

このホルモンの合成に必要な成分がパントテン酸(ビタミンB群の一種)です。

このほか、エネルギーの代謝に必要なビタミンB1も必要になってきます。

<パントテン酸の多い食品は>
レバー類
鶏もも肉(皮なし)
牛ひれ肉
豚肩ロース
子持ちかれい
にじます
たらこ
うなぎ
めかじき
いわし
納豆
アボカド
さつまいも
モロヘイヤ

<ビタミンB1の多い食品は>
豚ひれ・もも肉
レバー類
うなぎ
たらこ
紅さけ
子持ちかれい
さば
大豆・枝豆
玄米ご飯
胚芽精米ご飯
オレンジ天然果汁

などです。

重なっている食材も多いですね。

また、ニンニクや玉ねぎ、ニラ、ねぎに含まれる物質、特にニンニクに豊富でにおいの原因になる硫化アリルなどがビタミンB1の吸収を支えるので一緒に食べるのがおすすめです。

同時に同じお皿に載っていなくてもOK。

別々のメニューで、同じ食事どきに食べるようにするだけで大丈夫です。

また、精白米に追加してビタミン類を玄米並に増やす「強化米」がお米売り場に置かれているので利用するのも良いです。

私は精白米の味はそのままで、栄養成分だけ強化されるので愛用しています。

もちろん玄米など精製されていない米類にはほかの健康効果もあるのでどちらを選ぶかはお好みです。

しかし、パントテン酸、ビタミンB1ともに体のなかに貯金はできないのです。

毎日必要な量を補給していく必要があります。

日々の食生活に上記食品類を多めに食べてみましょう。

暑さで食欲不振に陥ったり、食事では補いきれないと感じたときには、ビタミンB群(B コンプレックス)のサプリメントを利用するのもおすすめです。

パッケージに書いてある用量を守ってくださいね。

紫外線は、日焼けの原因ではありますが、皮膚から吸収することで 体内でビタミンDの合成を促しています。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、丈夫な骨を作るのに欠かせません。

ですので、午前中に30分程度は適度に日差しを浴びながら散歩すると骨の健康に良いとされています。

日焼けをすると肌が黒くならずに火傷のように赤くなる人がいます。

その場合は30分程度を超えない、「皮膚が赤くならない程度」の時間を自分でチェックして確認しましょう。

その時間を超えて屋外にいる場合は夏用の長袖やアームカバーなど

肌の露出を少なくするのがおすすめです。

食品では、鮭、いわし丸干し、きくらげ、さんま、ウナギ蒲焼きなどにビタミンDが豊富です。

また、紫外線はヘアブラシや食器、スリッパなどの殺菌に使われることがあります。

紫外線は多く浴びると有害です。

日焼けは体の防御反応ですが、老化を促進させてしまいます。

日傘や帽子、サングラス、衣類などで調節する、UVカットクリーム(日焼け止め)を利用することで健康やアンチエイジングに役立つことがあるということを知っておいてくださいね。

一方、運動やスポーツは紫外線の強い時期でも健康や体力づくりに欠かせません。

UVカットの工夫のほか、比較的紫外線が弱めの早朝や空調の効いた屋内などで汗を流すのがお勧めです。

日焼けによる皮膚の黒さや、シミ、そばかす対策にはビタミンCがおすすめ。

かんきつ類や青菜に多く含まれています。
 
 
<編集後記>
疲労回復に鶏の胸肉に多く含まれる成分である「イミダペプチド」が注目を浴びています。

ただし、効果を発揮させるためには毎日食べる必要があります。

それでは栄養のバランスを崩しやすいので取り入れるならサプリメントがおすすめです。

しかしながら、イミダペプチドの量が少なく、代わりに「チキンエキス」を配合している商品がほとんどです。

充分な量のイミダペプチドを含んだサプリメントは非常に高価なので、服装などの日焼け防止策と食事、UVケア衣類やクリームなどを利用したほうが健康効果も高く、現実的といえます。

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