管理栄養士の菊池真由子です。

今回は「酵素ドリンク」を取り上げています。

さて、酵素ドリンクのほとんどがダイエット効果をイメージさせるものでした。

なんといっても「痩せた」という体験談が多く宣伝されているためにほとんどの購入者がダイエット効果を感じているのではないでしょうか。

しかし、栄養学や生理学などの観点からするとダイエット効果があるとは考えられないのです。

酵素ドリンクの説明を要約すると

「現代の食生活は酵素不足であるから補給して代謝を上げよう」

という内容。

文脈から、代謝を上げて痩せようという暗示的メッセージを受け取ってしまいがちです。

あるいは

「野菜や果物などを酵素で分解、栄養成分が豊富。ダイエット中の体調を整えて美容効果も高い」

というようなもの。

美容に効果的な成分を集中的にとれる栄養補給のようなイメージです。

ダイエット中は体調を崩しがち、という前提があるような点が気になりましたが、どのような栄養成分が含まれているのか全く解りませんでした。

酵素が食品をどのように分解しているのかも不明で、実態がわかりづらかったです。

また、酵母を用いた納豆やヨーグルトのような発酵食品と同列には考えにくいのも確かです。

また、1食相当量の発酵食品からハッキリわかるほどのダイエット効果や健康増進効果があったという物質があったのなら、画期的な発見です。

すぐに物質名が解明されるなり、医薬品なりになっているのではないでしょうか。

そもそも酵素はたんぱく質です。

ドリンクとして口から入って期待通りの働きをするかというと、体の仕組み上、そんなことはありません。

たんぱく質は、体内でアミノ酸に分解され、消化吸収されます。

そして再び様々なたんぱく質に生まれ変わるのです。

詳しいことは難しくなるので省略しますが、酵素をどれだけ食べても、

同じたんぱく質源である肉や魚と同じように消化吸収されてしまうのです。

酵素ドリンクとして飲んだ酵素だけが体内で“酵素”として活躍することは消化吸収のシステム上、無理があるのです。

つまり

「“酵素”を摂っても(飲食しても)体が消化をするので期待するような“酵素”としての働きはしない」

ということなのです。

ところで、私は酵素ドリンクで痩せた経験があります。

子供の頃、胃弱で食が細かったために心配した父親が栄養補給に買ってきたのです。

子供ながら父の心情を推し量って欠かさず飲んでいました。

すると、痩せてしまったのです。

当時を振り返ると、胃弱で食欲があまりないところにドリンクという余計な水分を摂ってしまい、それでお腹がふくれて食事の量が減ってしまったからです。

食事の量が減れば痩せるのは当たり前ですよね。

ドリンクとして飲用しながらも、食事の量が減らすなど同時にダイエットに関する何か別の行動をとっていると痩せることもあるでしょう。

置き換えと称して、食事をかなり減らすことを勧めている商品もあります。

酵素ドリンクなどを飲食することがきっかけで食生活に気を配るなどの行動を一緒に行うから健康増進の成果が上がったのかもしれません。

多くの成功体験談が寄せられていますが失敗体験を語っているケースはなかなか見当たりません。

また、使用を止めてからも落とした体重を維持できているかは不明です。

仮にほとんどの利用者がダイエットに成功をしているのなら世間に

「痩せたいけれど太っている人」

はいなくなっているはずです。

きちんとした科学的な証明などは専門の研究家がすることです。

しかし、管理栄養士の立場として調べた結果は

1)酵素を飲食してダイエット効果があるとは考えにくい
2)成分の実態が不明であるという結論に至りました。

しかし、酵素ドリンク類を全否定するわけではありません。

味に工夫を凝らしてあるものもあり、おいしさを味わうのも1つです。

また、食に関する考え方は人それぞれ。

食品衛生上問題がなければ楽しんでいただいても良いかと思います。

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