勉強

皆様は、それぞれの職業で、技術や業務の習得のための勉強をしていることと思います。

新入社員の時や、仕事の内容が変わった時、毎日の仕事をこなすため、実用書と首っ引きで研鑽した経験のある方も多いでしょう。

しかし、仕事に役立たせるための勉強には、個別具体的な知識・技術についてのものだけではありません。

より抽象度の高い理論を学ぶこともあります。
たとえば、経営学やマーケティング理論について学ぶビジネスパーソンはたくさんいます。

また、経理担当者が会計学やファイナンス理論を学んだり、技術系の仕事をしている人が科学の基礎研究をじっくり学ぶといったこともあります。

しかし、そのような抽象度の高い学習をすることについては
「意味がない」
「学生のやること」
「現場を学ぶことのほうが大切」
という否定的な声もあります。

でも、このような声は、「誤った二者択一」の罠にはまっていますね。
現場も大事ですし、抽象的な理論も大事なわけです。

「仕事と私とどっちをとるの!!?」とは、訳が違うのです。

抽象的な理論を勉強することの意義はどこにあるのでしょうか。

私たち弁護士は、抽象的な法学の勉強をすることが必須です。
法律家の仕事は、実際に起こった事実に法律を当てはめていくこと。

しかし、事実は無限のバリエーションがあり、法律をどのようにあてはめるか判断が困難なケースに必ず遭遇します。

法律には、条文の文言だけには表れない理念があります。
個々の法令と理念、全体で法体系が成り立っているといってもよいでしょう。

ですから、困難なケースに当たる場合、法律が作られた趣旨までさかのぼる必要があります。

条文だけではどうとでも読めてしまうわけです。

どのような分野にも、抽象度の高い理論を学んでいないと行き詰ってしまう場面があるはずです。

ルーティンの仕事をしている時は意識していなくても、問題が発生した時、抽象的な理論を学んでいるかどうかが問われるのだと思います。

また、抽象的な理論は論理的に作られています。

理論を学び、徹底してトレーニングすることにより、論理的な思考を養うことができます。

これは、具体的に何に役に立っているとは説明はしにくいものの、すべての仕事にかかわる「地頭」を作ることです。

会社の組織運営の面からみても、現場における作業ベースの技術があり、抽象度を上げると戦略があり、さらに大きな企業理念があります。

この理念の部分は、通常の業務から外れる出来事が起こった場合、また新しい事業を始めるとき、参照されることになります。

それを知らずに仕事を進めれば、会社全体の方向性がぶれてしまいます。

人の上に立つ役職に就く場合に、抽象的な思考ができるか否かが大きく影響するのです。

ただし、抽象論を学ぶだけでもいけないのは言うまでもありません。

中には、華やかな横文字のマーケティング理論を駆使するものの、具体的なケースとつなげて説明することができない人もいます。

業務の知識・技術と、抽象的な理論は、車の両輪です。

双方を知り、その中間に豊かな領域を持っている人こそ、抽象から具体へアウトプットできる優れたビジネスパーソンなのだと思います。

「文武は車の両輪なり」(黒田官兵衛)

【編集後記】

先日、読売新聞の取材がありました。
アイドルグループの事務所の契約書に「恋愛禁止」という約束があったそうです。

この条項が有効だとして、アイドルに損害賠償を命じた判決が出されました。
私は、その判決に疑問を呈するコメントを出しました。

確かに契約書で約束をしたとしても、恋愛を禁止するって・・・
控訴して、控訴審の判決を待ちたいところですね。

法律相談は、こちらから。
http://www.bengoshi-sos.com/about/0903/

今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして、また次回もぜひ読んでください!

では、あなたに健康と幸せが訪れますように祈っています。

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